2月11日に仏・パリで発表された、HCFの2018年春夏ニューライン。それを受けてHCF日本(藤井静児会長)では、3月5日に大阪(ル・トーア東亜美容専門学校)で、3月6日には東京(アリミノホール)で『HCFニューライン伝達講習会』を行なった。
東京会場では冒頭、藤井会長が謝辞を述べると、技術を披露するジェレミー・ブラン氏を紹介。2012年からHCF創作委員としてステージに立っているそうで、仕事のモットーは『その人らしさをじっくりと取り上げ、自分ができる技術を使って、その女性の価値を高め、自信を持ってもらうこと』だという。「彼は“仕事の神髄はサロンワークにある”と述べているが、本日はカット3点(レディスのショートとロング、メンズスタイル)、そして独特のシニヨンを披露していいただく。しっかりとご覧いただき、明日からの営業にぜひ参考になるように勉強していただけたら」と述べ、氏を招き入れた。
ジェレミー・ブラン氏は2018年春夏のコレクションについて、タイトルを“capsule V”と発表。1960年代、1970年代のファッションにインスピレーションを受けて今回の新しい創作に生かしたということで、ヴィンテージのVを冠したと述べる。また非常にシンプルで手早くできる技術が多くつまっており、しかもどのような髪質にも対応できることが大きな特徴だという。
さらにどのスタイルもシンプルなブロッキングだとして、ショートスタイルではレザーカットで美しい、流れるような柔らかいカットラインを作りあげる。その際、刃を髪に優しく当ててスライドさせ、上から下に向かって削ぎ落すようにすることだと解説。
そしてシザーに持ち替えると長さの決め方を丁寧にレクチャーし、形を崩しながら丸みを帯びたラインが出るように“ピクタージュカット”を用いるとして、「その人らしさを出すには前髪が大きく影響する。したがって切りすぎないのが、このスタイルのポイント」とも話していた。
その後、ロングスタイル、メンズスタイルと同様に解説しながらカットすると、続いてシニヨンスタイルを披露。3点のうち1点をステージ上で仕上げた。
最後にZA/ZAの川合昭氏が登壇し、デザイン力と提案力について質問。まず『どういったところでインスピレーションを得るのか』と問うと、ジェレミー・ブラン氏は「インスピレーションの源は、日常生活のどこにでも転がっている。テレビや映画、旅行の中、そして芸術や建築、1枚の画像や木を見ながら思いつくこともある。そして実際にヘアスタイルを作る前に、たくさんのデザインを描き、何度も試行錯誤をして、表現していく」と答える。
次に『デザインをお客さまにどう提案しているのか』との質問では、「お客さまに楽しんでいただける形に直し、情報として発信している。やはり夢を贈る、すばらしいクリエーションを提供するというのは、ヘアデザイナーにとって重要。お客さまに来店していただき、そのような夢を共有できれば、それが伝え方ではないか」と述べた。