タカラベルモント株式会社(吉川秀隆会長兼社長)は、人々の美と健康をサポートする企業として、シニア層の健康寿命を延ばすにはどうすべきか、そして最終的には、命の終わりをどのように受け入れていくのかを考えるきっかけとして、12月16日に大阪市・中央区の同社TB-SQUAREで医療イベント『ホリスティック医療と延命を考える』を開催。100名を超える参加者が集った。
超高齢社会が進む中、先日開催が決定した大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。そしてサブテーマは「多様で心身ともに健康な生き方持続可能な社会・経済システム」となっている。
現在、政府も健康寿命促進に力を入れているが、一方で医療の進歩に伴い最終的には命の終わりまでをどのように受け入れていくのか、高齢者本人だけでなく周囲の人々のあり方も問われている。
その中で、歯科・医療事業を行なう同社は、一般消費者に対し予防医療への知識を高め、終末医療までの適切なクリニックとの付き合い方を情報として提供することが必要と考えたとそうで今回、医学博士や歯科ドクター他を講師に、シニアを対象として来場者が楽しみながら知識を得られるイベントを企画したという。
冒頭、デイサービスの運営から、接客業・販売業に携わる人々などへの高齢者に関する一般知識を得るための「シニア検定」の策定まで、高齢者事業を幅広く手掛ける江端ひとみ氏(株式会社グローリア21 代表取締役)が、日本の超高齢社会の現状について説明。今後、高齢者を支える若者が減少する中、負担を減らすためには、いかに健康寿命延伸が大切であるかを示した。
次にウォーキング講師の竹澤摩佑子氏(株式会社マティ代表取締役)が登壇。『“一生自分の足で歩く”ため、歩くときに心がける5つのこと』と題し、正しい歩き方のフォームを身に付け移動手段の「歩く」を「トレーニング」化することを提言。受講者も立ち上がって熱心に足を動かしていた。
3番目は、西宮のけいデンタルクリニック院長岡本啓氏。『舌のトレーニングで健康寿命を延ばしましょう』をテーマに、口内の健康の大切さを説き、そのためには舌を正しい位置にして口呼吸を防ぐこととして、日常に取り入れられる舌の体操を紹介、思わず受講者も自分の舌を動かしていた。
次に登壇した、ドライマウス認定指導師で看護師免許も持つみきしほ氏は、老化やストレスなどが原因で唾液が減り、口内環境が悪化、これが誤嚥なども招くと説明。『若返りを目指す方のための唾液腺マッサージ』というテーマで、自分でできる唾液腺マッサージを会場と一緒に行なった。
そして医学博士で照葉の里箕面病院副院長の日裏彰人氏が登壇。終末医療に日々取り組む同氏が実例に基づき、延命をどの時点でどのように考えるか、そのヒントを提供すると、受講者は改めて考えさせられるよいきっかけとなっていた。
最後に大阪教育大学副学長の吉田晴世氏が、5つのセミナーについて鋭い指摘も織り交ぜつつユーモア溢れる講評を行なうと第一部は終了となった。
第二部では同志社グリークラブOBで編成されたコーラスグループ「THE WILD ROVERS」が、懐かしい音楽やクリスマスソングを美しいハーモニーで歌い上げ、受講者の心を和らげていた。
参加者は70代を中心に40~90代までの男女が、大阪・兵庫・奈良などから100名以上来場。「参考になったので、明日からさっそく実践したい」「是非また開催してほしい」という感想が多く、好評のうちに終了した。