昨年、社会的に大きな影響を及ぼした新型コロナウィルスは、私たちの生活環境を一変させ、新しい生活様式が定着化し、人々のマインドも大きく変化させました。この影響は2021年にも継続していくと予測される中、この混沌とした社会に対し「現状を打破して解放されたい」「力強く生きたい」と願う人や、一方で、これまで以上に「自分だけの時間」を大切にし、安心で安全な場所を求める人も少なく無いと思われます。この外と内、ONとOFFが明確になったライフスタイルは、私たちがヘアスタイルを提案していく上で欠かせないエッセンスとなります。
2021年NHDKニューヘアモード「J’aime」(ジェム)はフランス語で「私は~が好き」という意味があり、自分の時間を大切にすることで改めて自身と向き合い、原点回帰しつつ本質を見出し本当にすきなものに気付いていく。また、明るい未来を信じ内なる希望を持つ女性。そのような思いを込めて創作いたしました。
原点に立ち、シンプルなボブをベースに、拘りのカットやカラー、スタイリングで自分自身を愛でるように、リラックスした雰囲気のヘアデザインです。サロンという居場所に安心と希望を求めるお客さまに是非ご活用いただければと思います。
NHDK 美協日本ヘアデザイン協会
2021 ニューヘアモード創作設定プロジェクト委員
委員長:計良宏文
副委員長:石渡智花、桜井靖浩、松木宏紀
委員:笠原伸浩、篠谷信寛、中川泰貴、原口裕匡、山本 直
モード委員:小出康友、鈴木道生、土居一生
フォト:小池 徹(buffo)
スタイリング:色部聖乎((株)ラインヴァント)
メイクアップ:計良宏文
協力:株式会社きくや美粧堂
Cut Point
[カットポイント]
<進化系マッシュボブ>
マッシュボブベースのフロントセクションと、奥行きがやや浅く、狭めのバングがポイント。
バックのアンダーセクションはスクエアにカットした後ハイレイヤーを入れ、バックのオーバーセクションはサイドの延長上にボブを被せツーセクションでカット。
トップの角を落とし、内側の毛先のみ毛量調整を行ない収まり良く仕上げる。
Color&Perm Point
[カラー&パーマポイント]
生え際から2cmに5トーンのブラウンをのせ小顔効果を演出。残りの全体部分を1回ブリーチ、トップセクションの馬蹄部分のみ2回ブリーチを施す。その後全体に14トーンのカーキとピンクアッシュを8:1(3%)で被せ、同色でもトーンの違いで色味が楽しめるカラーに仕上げる。
Styling Point
[スタイリングポイント]
ドライヤーで根元をしっかり起こし、艶感と束感を出すために毛先にオイルを少量つけて、粗目のコームで整え、ナチュラルに仕上げる。
Cut Point
[カットポイント]
<ザックリとした質感のボブスタイル>
バックセクションのボトムはテーパーリングしタイトに収める。ミドル、トップセクションはガイドより長めにオーバーラップ。トップセクションはパネルをフリップさせて大胆なチョップカット。
サイドは緩やかな前下がりで、フェイスラインのみレザーでフリンジを作る。バングは毛束を摘み、レザーカットで先細にテーパーリング。表面に軽くレイヤーを入れ軽さを演出。
Color&Perm Point
[カラー&パーマポイント]
ベースはナチュラルブラウン10トーン。フリンジとバックセクション耳下部分を2回ブリーチ。そのほかランダムな毛束を1回ブリーチ。フリンジとバックセクション耳下にピンクオレンジ。ミドル、トップセクションのメッシュ部分には8トーンのアッシュ系ベージュを被せる。
バックミドルは太目のロッドで内巻き。その他は毛先を逃した縦巻きでヘムラインにニュアンス程のウェーブ感を与える。バングも同じく毛先を逃し縦巻きで構成。Styling Point
[スタイリングポイント]
重めのオイル系ヘアクリームを根元付近から充分に塗布して、手櫛でタイトに収める。
フリンジの部分は細い毛束を指やコームで摘み出しスプレーで顔まわりにスパイス感のある雰囲気を演出。
Make-up Point
[メイクアップポイント]
ファンデーションは極力薄めに肌の赤みのみカバーし、ルースパウダーをブラシで重ね、素肌っぽい透明感を残しつつ、ややハーフマットな肌に仕上げる。ピンクベージュ(左)または、レッド(右)のアイカラーを上まぶた全体と、下まぶたの涙袋の範囲まで広めにぼかす。マスカラを上下に塗布し目元を強調。チークは頬の中央よりやや高めの位置に丸みを感じるようにぼかす。リップはクリアのリップトリートメントでナチュラルに。