資生堂プロフェッショナルが『揮発性炭化水素に毛髪脱色促進効果』を発見

資生堂プロフェッショナルは、炭素原子数8~16の揮発性炭化水素をヘアカラー剤に配合することで効率よく髪色を脱色する効果があることを発見した。なお今後発売するヘアカラー剤などに、この新知見を採用していくという。

~毛髪のダメージを抑え、効率的に脱色が可能なヘアカラー剤やブリーチ剤の開発に期待~

[開発背景]
近年、明るい髪色やさまざまな色のヘアカラーを楽しみたいというニーズが高まりつつあります。しかし一方で、「自由にヘアカラーを楽しみたいけれど、ダメージをさせたくない」「ヘアカラーを継続的に楽しみたいけれどダメージが気になる」といった、ヘアカラーに伴うダメージに関する悩みがあげられてきました。この悩みに応えるために、「ヘアカラー剤による毛髪ダメージをいかに軽減できるか」が、目下の研究課題とされてきました。

[技術内容]
へアカラーは、毛髪を脱色すると同時に染色するもので、この脱色の反応はヘアカラー剤中のアルカリ剤と酸化剤によって発生する活性酸素が、毛髪中のメラニン色素を分解することで起きています。
今回の研究の結果、特定の揮発性炭化水素を配合したヘアカラー剤は、未配合時に比べて毛髪内部のメラニン色素をより分解・消失させていることを確認しました。また、毛束の実験でも未配合のものに比べ、髪の明度が上がることが明らかになりました(図1)。本現象はこれら揮発性炭化水素が、脱色に寄与するアルカリ剤と酸化剤を効率よく毛髪内部に浸透させたことによるものと推察されますが、この反応機構の詳細は、今後の研究で明らかにしていく方針です。
これによりアルカリ剤の増量などで毛髪を過度にダメージさせることなく、効率的に髪の明度を上げることが可能になりました。本技術は今後、ヘアカラー剤やブリーチ剤に活用していきます。

図1) 脱色効果の確認(色差計測定値、毛髪外観画像)