『KEEN学生応援プロジェクト』決勝大会が11月14日、東京・新宿のハイアットリージェンシー東京で開催され、髙本菜々美さん(東洋理容美容専門学校理容科1年)が初代チャンピオンに輝いた。『KEEN学生応援プロジェクト』は〝理容師を憧れる職業No.1に〟をスローガンにKEEN creative hair(倉田和俊代表)がプロデュースしたもので、首都圏の理容専門学校に在籍する1年生の応募者の審査(個人面接、グループ面談、技術審査、サロンワーク審査、YouTubeいいね コメント、SNS発信)を経て、決勝大会では〝理容師のすばらしさ〟をテーマに自分のなりたい理容師像を5人がプレゼンテーションした。
個人面接から次々に行なわれた審査と今大会のプレゼンテーションの総合点でチャンピオンが決定。優勝カップとトロフィー、2年生の学費として100万円(学校に直接支払われる)が贈られた。髙本さんは「もともとこのようなチャレンジは苦手だったが、反対だった両親を説得し最後は応援されて入学したので、自分を変えるチャンスだと思い参加した。今、ひとり暮らしをいているので、ほかの人たちよりもお金がかかっていると思う。今回、学費100万円を得て、初めて自分の力で親孝行ができたのではないかと思う」とチャンピオンの喜びをコメントした。なお、このプロジェクトは、今回が第1回目。
みごとチャンピオンを射止めた髙本さんはプレゼンテーションで、理容のすばらしさを世の中に伝えるにはSNSを利用してわかってもらうこと」と話した。男女問わず眉を整えるのは美容室か眉毛サロン、はやりのフェードや刈り上げも美容室へ行くのはなぜかを調べたところ、理容室で行なっている内容を知らないことにある、とわかったという。また、髙本さんは将来、女性のための理容師を目指している。理容室はオジサンのためだけの場所ではなく、若い世代や女性も通えるサロンであることを、若い理容師たちが発信することでよりわかってもらえると思う、と結んだ。
プレゼンで最高得点だった伊藤萌々華さん(東洋理容美容専門学校理容科1年)は、訪問理容師を目指している。人に必要とされる職業に就きたいこと、身障者の家族が知り合いの理容師に施術してもらっており、技術もすばらしく明るくていねいな対応に感銘を受けていたこと、母からの勧めもあったからだとのこと。理容師を目指したのは、ハサミやカミソリの鋭く光る道具類、襟足やもみあげ、眉毛などを整える技術のすばらしさにあこがれを抱いたからだという。また、今のうちにやっておいた方がいいことや、やりがい、辛いことなどを訪問理容師にSNSで直接質問をして返ってきた答えを披露した。
山口真世さん(東洋理容美容専門学校理容科1年)は、InstagramやYouTubeで刈り上げやカットの技術をみてカッコいいと思い、さらに専門学校のオープンキャンパスでフェードを体験して髪の毛を切る楽しさを知り理容師を目指すことにしたという。シェービングができること、髪の毛の長さをきれいに揃えたり面を整える高度なカット技術も必要とされる技術の高さも理容師の魅力であり、いくつになっても現役で働けることも魅力だったという。今回のプロジェクトで自分に何が必要なのか、気づいたことを今後の成長につなげたく、これからがスタートだと話した。
奧谷遙さん(東洋理容美容専門学校理容科1年)は、理容師を目指した理由を〝どの職業よりもカッコいいから〟と話した。理容師の歴史的背景を調査したところ、原始時代からあったとのこと。時代によっていろいろな技法を生み出し、時代のブームにあわせてきた。その時代の流行やインフルエンサーに対応し、お客さまに喜んでもらう温かい職業である。一番影響を受けたのは、今でも仕事を追求している理容師の祖父。カットは手際が良く、とくにシェービングは気持ちよく、カット中のお客さまは楽しそうで終わったあとも幸せそうな顔をするので、そのようなやさしい理容師になりたいと思ったという。
仲川礼さん(東洋理容美容専門学校理容科1年)は理容師の魅力について、お客さまの顔を見ながら接客できることをあげた。また、お客さまの大切な場面(例:入学式、結婚式ほか)に立ちあえることも魅力で、大切な時間を自分に任せてもらえるのはうれしくすばらしいことと感じているという。さらに、幅広い技術の提供ができることをあげた。人の第一印象は5割が見た目。TPOでも髪型を変え、整った髪型(美しい、可愛い…)はモチベーションをあげるので、理容師は〝魔法のような職業〟と考えているという。将来はお客さまの人生に寄り添い、心のよりどころとなる理容師を目指している、と話した。
なお、チャンピオンには、副賞としてシザーズ内山(内山喜晴社長)のはさみが贈られた。倉田代表が初めて購入したものと同じモデルで、ステライト素材でできているという。さらに内山社長からの好意で、プロジェクト参加者全員に喜んでもらいたいと5人全員にはさみを贈った。
最後に倉田代表は「集団面接の時に〝我々5人が今後、理容業界を引っ張っていき、あの伝説の一期生か!といわれたい〟と言ってくれた。そのことばだけで、プロジェクトをやってよかったと思う」と述べた。