「美しい人生を、かなえよう。」をパーパスに理美容や医療の業務設備機器および化粧品などを製造・販売するタカラベルモント株式会社(吉川秀隆代表取締役兼社長)をはじめとするタカラベルモントグループは、7月22日にデザインコンペ『TBCA(Takara Business Creation Awards)2022』を開催した。
同コンペは、デザイン力・設計力・提案力の向上を目的に、全国のタカラスペースデザインのデザイナーが設計した理容・美容サロン、デンタル・メディカルクリニックの中から、とくに優れたものを選出しているコンペティションで今回で32回目。日本を代表するデザイナーや業界ジャーナルも審査に加わり、業界の動向を捉え、今後のコンセプトを探求していく場にもなっている。
タカラスペースデザインの所属デザイナー約110名によって、昨年4月~今年3月の間に手掛けられたサロン・クリニック約173作品の中から、一次審査で61作品を選定。さらにその中から最終審査対象としてサロン部門10作品・クリニック部門7作品、計17作品がノミネート。デザイナーみずからデザインコンセプトや設計ポイントなどをプレゼンテーションした。
また当日は外部審査員として島田 陽氏(株式会社タトアーキテクツ/京都市立芸術大学 准教授)、木下昌大氏(株式会社キノアーキテクツ/京都工芸繊維大学 准教授)、中村菜穂子氏・中村昌彦氏(一級建築事務所 こより)、ファシリテーターとして塩田健一氏(株式会社商店建築社 月刊商店建築編集部 編集長)を招き、厳正な審査が行なわれた結果、サロン部門では金賞1作品、銀賞4作品、さらに審査員特別賞2作品が選出された。
審査員からは「面白いデザインがたくさんあり、自分たちの刺激にもなる」「若い人たちがデザインを楽しんでいて嬉しい」「デザイナー一人ひとりがかなりの案件数を抱えていながら、クオリティが高く、ストーリー性も感じられる。デザイナーもすごいが、それを支えるチーム全体がすばらしい」といったコメントがあった。
同コンペの受賞作品やエントリー作品は、同社ホームページ他、ショールームや展示会・営業ツール等でも紹介されるという。
サロン部門 設計デザイン賞の結果は以下のとおり。
サロン名/業種/デザイナー
金賞:上目黒美容室/美容/湯口 巌
銀賞:main/美容/湯口 巌
銀賞:beauty TUNE shiseido 大名古屋ビルヂング店/美容/堀川 塁
銀賞:BASK./美容/宍倉百合奈
銀賞:縁と縁/美容/林 優佑・堀川 塁
審査員特別賞:月日/美容/中村まい・堀川 塁
審査員特別賞:tidy & tiny/美容/湯口 巌
[ジャーナル賞]
髪書房賞:tidy & tiny/美容/湯口 巌
コワパリジャポン賞:月日/美容/中村まい・堀川 塁
女性モード社賞:Lepo/美容/宍倉百合奈
新美容出版賞:KIRIOM/美容/林 優佑・堀川 塁
ヘリテージ賞:HOROS/美容/小林昌平・宍倉百合奈
理美容教育出版賞:HOROS/美容/小林昌平・宍倉百合奈
住宅街を通り抜ける緑道に面する築50年の木造住宅を、1階美容室、2階ギャラリー兼スタジオへとリノベーションした作品です。オーナーの強い希望もあり、元々の建物が持つ素材の良さを生かしてデザインをしました。「引き算」の考え方で空間の再構成を図り、残す部分と取り除く部分を慎重に選定。時間を経過した建物の「素朴さ」「確かさ」を引き出し、木造家屋の「力強さ」「濃い陰影」はそのままに、そこに馴染むよう「広がり」や「艶」を加え、「古さ」に寄り添った趣あるサロン空間へと設えました。
審査員からは、「これからの良いモデルケースとなる」「民家から店舗のリノベーションで、難しい照明計画をクオリティ高く実現できている」「何度も訪れたくなく空間」などと評価されました。
10年を迎える美容室の、 スタッフの世代交代を機にリブランディングを図るプロジェクト。 工期が2週間と決められており、 さらにシンプル・ミニマルでいてオリジナリティの感じられる空間が求められた。 150角のグリッドフレームを挿入することで、 整然として落ち着いた空間でありながらも個性的で荒々しさをも飲み込む空間へと「上書き」されるよう意識してデザインした。
■beauty TUNE shiseido(ビューティー チューン シセイドウ)大名古屋ビルヂング店
資生堂美容室ブランドの中で、メイクやファッションに感度の高いビューティー探究層をターゲットとしたシンボルサロン。店販スペースが重要な役割となるため、パーソナルな粧剤販売を可能にするビッグカウンターを配置。カウンセリング、タッチアップ、化粧品の購入までが可能になる。スタイリッシュな印象を与える黒の塗装を基本に、ミニマルな空間を目指した。
鎌倉の小町通り沿いにある築60年の伝統的な木造住宅を改装し、店舗兼住宅へ。重厚な柱や梁が整然と組まれたフォルムは残しつつ、真壁和室・洋室・離れのそれぞれの空間を整え、長押(なげし)で緩やかに繋いだ。オーナーの祖父の代から続いている既存の建物を生かした演出を随所に施し、趣の深い空間に創りあげた。
うなぎの寝床のような細長い空間。奥行き方向を意識させることに焦点を置き、天井に動きをつけることでそれを実現した。店名でもある「縁(えん)と縁(ゆかり)」が繋がっていく様子を曲線の波形で捉え、切妻型の天井ルーバーの頂点が波形の軌跡を辿るような形とした。暖簾で緩やかに仕切った際にも、ルーバーの変化が空間にリズムを生み、均一化されない空間を実現した。
店名“月日”の由来である「お客様と共に時を過ごしていく」というキーワードから、長い月日をかけて水に削られた【石ころ】をモチーフにした。店舗の長手方向に存在する壁やパーテーションは、塗装やシート貼りで水面を表現。お客様が過ごすセット面やシャンプーブースそれぞれの空間で水の重なりが発生し、動きを作り出している。
オーナーが生まれ育った商店街に店舗をオープン。寂しくなってしまった商店街に、近所の人が気軽に寄れる場所を作りたいというオーナーの思いから、「以前からそこにあったかのよう」だが、「現代的」で「個性的」な空間が求められた。そこで、街と関係する色々な使い方ができるよう、自由度が高く、個性を持つ空間をデザイン。ただの一室空間ではなく、奥行きや広がり、変化やリズムを感じられるよう設計した。
タカラスペースデザイン株式会社: https://www.takara-s-d.com/
タカラベルモント 理美容事業: https://www.tb-net.jp/
タカラベルモントグループ 施工事例: https://www.tb-net.jp/salonreports/
タカラベルモントは、2021年10月5日に創業100周年を迎えました。
次の100 年に向けて、パーパス「美しい人生を、かなえよう。」を軸に企業活動を行なっています。
様変わりした新しい世界の中で、いかなる社会寄与ができるかをこれからも追及してまいります。
■タカラベルモント100 周年記念サイト https://www.takarabelmont.co.jp/100th