東京理美容品工業会(井上研司理事長)は、10月13、14の両日、山梨県石和温泉で例会を開催。今回は3年ぶりということもあり、特別講演をプログラムに加えてのリアルの会議となった。冒頭井上理事長は、「この2年はコロナに振り回され、ほとんどの会合が予定をしても中止か延期を余儀なくされてきた。今回も企画当初は半信半疑で、ゲストの講演も出来るかどうか不安でしたが、何とかこういう形で本年度1回目の例会が実施でき、感謝している。全会員に参加いただきたかったが、それぞれ事情もあって、欠席会員もいるが、有意義な時間を過ごしていただきたい」とあいさつした後、早速講演会に移った。
今回の講師は、帝京大学文化財研究所准教授の藤澤明氏で、専門は保存科学、金属加工学、保存修復で今回は、触れる国宝として屋外に鎮座する「鎌倉大仏に関する研究調査」をテーマに講演。大仏が緑青に覆われているのは銅の成分によるものだが、カビのように白くなる部分も多く見られるのは塩分が起因しているとのこと。また、鉛成分が多いと逆に黒くなるという。同工業会には鋏やアイロンなど、金属加工を専門にしている会員も多く、講演内容には興味津々で、多くの専門的な質問がなされるなど、意義深い講演会となった。