全日本美容業生活衛生同業組合連合会(井眞人理事長)は1月18日、「第395回理事会」を東京・千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで開催した。
あいさつに立った井理事長は今年の方針について「新しい時代のスタートの年と位置づけ、〝改革〟とする。まずは、すべての事業やいろいろな手続きを見直して、一歩ずつ改革を進めていく」と述べた。改革について事業では産学連携し、とくに学校との絆を強めるための業界づくりを行なう。各委員会の改革で組織強化につなげ、組織力を大きくしていく。また、各単組と連絡を密にし、意見や要望等を一つひとつ解決していく。さらに政治家とタッグを組み、支援を仰ぐ。また、DX化で縦や横、すべての情報を一括管理していく、とした。
野本義久副理事長を議長に議事に入り、組織強化広報・事業教育・共済・連携事業デジタル化推進各委員会からの進捗状況と、デジタル化推進検討会からの報告他がありすべて了承された。事業教育委員会では、全日本美容技術選手権大会について出場選手の減少や観客動員減少状況にあり、増加方法や次世代のためにどのようなスタイルにするかなどを検討しており、今後それらをまとめて報告する。
その他、美容師国家試験の実技試験の改善策として「まつ毛エクステンション」の導入を検討している件について、報告があった。令和3年7月に政府の第18回規制改革推進会議投資等ワーキンググループが開催され、美容師制度のあり方について必要な改善策の検討が求められた。厚生労働省は「美容師の養成のあり方に関する検討会」を設置し、美容師の養成の改善に関する当面の方針が取りまとめられた。この方針で同省が理容師美容師試験研修センターに対し、まつエクを実技試験に導入する場合に、公平公正な試験が実施可能か具体的に検討し、必要となる準備期間等を求めた。同センターでは導入するための条件等を調査するワーキングチームを設置し、何度か会議を開き議論を進めていき、今年3月に報告書を取りまとめる。
途中経過の報告として、まつげエクステンションを実技試験に取り入れる場合の課題を次のように挙げた。
・使用薬剤にホルムアルデヒドがあり、試験会場に換気が必要になる
・従来はひとつの机で2人の受験生が実技をしていたが、細かい作業が多いまつげエクステンションでは1人にひとつ必要
・美容学校でまつげエクステンションの実習試験を行なっている学校は、現在半数ほどしかない
・現状の試験委員では不足し、養成するには時間がかかる
・現在の受験料ではまかないきれない
付議事項では、第1号議案「第51回全日本美容技術選手権大会の入場料に関する件」、第2号議案「予算委員会の設置に関する件」が審議され、両議案とも賛成多数で可決。10月24日に広島県の広島グリーンアリーナで開催予定の「第51回全日本美容技術選手権大会」の入場料は以下のとおり。
S席:8000円、A席:6500円、B席:5000円、学生席:4000円(いずれも昼食付・税込、ゾーン指定)
「令和5年全美連新年懇親会」
理事会終了後には会場を移し、「令和5年全美連新年懇親会」を3年ぶりに開催。原恒子副理事長の開会の辞に続いて井眞人理事長は「コロナの影響もある中、何とか開催したいということで人数も制限し、着席形式での懇親会となったが、国会議員の方々はじめ各業界団体からも多くの方に出席いただいている。本年も連合会事業への力強い支援をお願いしたい」とあいさつ。この後加藤勝信厚生労働大臣、高石早苗経済安全保障担当大臣はじめ多くの国会議員が登壇して祝辞が述べられた後、タカラベルモント吉川秀隆会長兼社長の発声で乾杯が行なわれ、新年懇親の宴へとつないだ。