全美連「第396回理事会」を開催

全日本美容業生活衛生同業組合連合会(井眞人理事長)は5月10日、「第396回理事会」を東京・代々木の美容会館9階ホールで開催した。

 あいさつに立った井理事長は今年の方針について、新型コロナウイルス感染症の影響で、世界情勢は変わった。世界が変われば日本も変わり、当然美容業界も変わったとして「市場は非常に厳しい。令和5年度は、変革が必要。お客様のニーズが多様化するなか、変化によるニーズも大きく変わってくる。ニーズによって変わったサロンを組合はどのように対応し、ニーズによって変化する組合に連合会はどう対処するのか。このような機会に皆さまの意見を伺い、新しい美容業界の発展のために連合会がなすべきこと、各組合がなすべきことをしっかり踏まえて進んでいく良いチャンスである」と述べた。具体的にはテクノロジーの活用、SDGsへのとり組みを考えていくという。従業員の不足については、労働環境の整備、連携事業としてリカレント教育やリスキリングなどの教育も必要で、新しい感覚の美容師育成に対処していくとしている。

野本義久副理事長が議長に指名され、議事に移った。報告事項では①組合員数 ②新型コロナ感染症拡大予防対策 ③外国人美容師就労 ④BGM著作物使用料 ⑤厚生労働省補助金事業について報告があった。

①の組合会員数(令和5年4月1日現在)は4万3281名で、前年同期比1608名減となった。ただし、9組合が1名以上増加している。②新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ変更になったが、同連合会はこれまでに策定・改訂してきたガイドラインを引き続き活用し、感染対策に取り組むことを推奨。③について、現在韓国人、中国人を中心に7名が就労、就労申請を行なっている。極めてレベルが高く、受け入れ側も喜んでいるとのこと。④JASRACにBGMの著作物使用料を支払っているが、NexToneが新規参入し両社と交渉中。使用料増額は認めない方針とのこと。⑤については、消費者のヘアスタイルに対する関心を喚起するとともに、著名人の中からベストヘアを選出し、全国大会で表彰する予定。

付議事項では第1号議案「全美連斡旋モデルウィッグ販売価格の改定に関する件」、第2号議案「2023年OMC世界理美容技術選手権大会研修旅行団参加役員への費用補助に関する件」、第3号議案「令和5事業年度第80回通常総会及び第397回緊急理事会の招集並びに提出議案に関する件」が審議され、賛成多数で可決した。