美容学生が仕事の素晴らしさを感じる瞬間を―。『恋’sコンテスト2023』開催

10月12日、千葉・千葉市民会館で『恋’sコンテスト2023』（本選）が開催された。主催は一生美容に恋する会（河島健代表理事）。年々その規模を拡大している同コンテスト、第３回となる今回は50チーム／100名がエントリー。28チームが予選に出場し、勝ち上がった８チームがグランプリを目指して本選に臨んだ。

今回のテーマは『今までの自分を卒業し新しい自分に出会いたいお客さまに提案するヘアスタイル』。この設定理由について河島代表理事は、「美容の仕事は人の人生に活力を与えられる仕事だということを感じてほしい」という想いから、「今までの自分の人生を変えたいと美容室に来店されたお客さま。みなさんが美容師としてその方の人生を変え、彩りを与えていただく。美容の仕事とは、そうした仕事であると感じてもらいたいと思い設定しました」と述べる。
そこで出場者は事前にコンセプトシートを作成。ひとりの登場人物の今までの人生、そして美容室に行き、その後どのようになったかを設定して作品作りに臨むことになる。

また同コンテストの特徴のひとつには、チーム戦であることが挙げられる。今回は千葉県の美容専門学校４校の学生が参加。学生２名と協力する美容師２名がチームとなって１つの作品を作り上げるが、その理由については「ひとりで取り組むよりも仲間と取り組むほうが、先輩から教わったほうが、大きな成長ができたり、大きな感謝ができる。そうしたことを感じてもらいたいと思っている。そして先輩方には学生たちと触れてもらうことで初心に帰ってもらいたい、教える難しさといったものを感じてもらいたいということでチーム戦という形になっている」と述べる。
さらに作品だけでなく、その内容や練習の工夫を発表するプレゼンテーションも評価されることもそのひとつ。ロボットではなく〝あなたにやってもらいたい〟と言われる美容師を目指すためには、自分がどういった想いで作品を作ったのか伝えるということが非常に重要だと話す。「だからこそプレゼンテーションは欠かせず、また今回、成長というのをテーマに置いているが、その力がプレゼンテーションに表れるのではないか。そうした想いで企画している」

専門学校に入学してすぐに参加を募集すると１００名を超える学生がみずから手を挙げたそうだが、ハサミの持ち方やカラーの塗布の仕方などまったくわからない状態からのスタートとなる。それでも美容師とチームを組んで90分間３回の練習し、予選を経て勝ち残った各学校の２チーム、計８チームが今回の本選に出場。ウイッグ競技からモデル競技へと移り、制限時間45分の中、学生だけでカット、スタリング、メイクを行なうとあって、選手たちは緊張しながらも今できることすべて出し切ろうと奔走。その後の作品プレゼンテーションでは、各チームの関係者から大きな声援が飛びかっていた。

　審査終了後、河島代表理事は最後に次のように述べた。
「このコンテストは、〝美容の仕事は人の人生に彩りを与えられること〟〝仲間と取り組んだほうが大きな成長ができること〟〝ロボットではないあなたにやってほしいという人材の育成〟といったことを伝えたいと思っていた。８チームのプレゼンテーションはこのことが伝わったと感じさせていただけて非常に嬉しく思う。入賞した３チーム、本気で（グランプリを）目指し本選に出場した８チーム、そしてチャレンジしてくれた28チームすべての方に本当に感謝している。
またこうしたコンテストを実現できるのは、30企業の応援があるおかげ。学生のみなさんは、指導してくださった美容師、環境を用意してくださっている周りの先輩方にも感謝していただき、美容を楽しんでいってほしい。第４回もより良くしていくので、今後ともお付き合いしていただければと思う」
コンテスト終了後には審査員による個別講評も行なわれるなど、学生たちは同コンテストをとおして、まさしく大きな成長を得られたのではないだろうか。