全日本美容業生活衛生同業組合連合会(全美連、井眞人理事長)は5月15日、東京・代々木の美容会館で『第400回理事会』を開催した。議案は5月30日開催の「第82回通常総会」に上程する令和5事業年度事業報告、同事業年度決算報告、令和6事業年度の事業計画案、同事業年度予算案など。審議の結果、すべて承認された。
井理事長は冒頭のあいさつで、PwCグローバルネットワークが2013年に特定した5つのメガトレンドに触れ「巨大な潮流は速く深刻であり美容業界も対処するために、学校教育や国家試験の課題見直しなど、大きく変わっていかなければならない」と述べた。
5月30日に開催された「第82回通常総会」では、上程された第1号議案『令和5事業年度事業報告の承認に関する件」~第4号議案「令和6事業年度収支予算(案)の承認に関する件まで、賛成大多数で原案通り可決した。第5号議案「全美連役員の任期満了に伴う、理事並びに監事の選任に関する件」は、総会を中断して緊急理事会を開催し役員選挙を行なった結果、新理事長に藤原國明氏(北海道)が選出された。
令和5事業年度の主な事業報告について、連合会の最重要課題である組合員の増強を主眼に、美容師免許(業務独占)を守るための施策や、前年度に続き各ブロック2組合を対象に、組合加入促進モデル事業を実施した。厳しい経営を余儀なくされたため、国の『生活衛生関係営業活性化支援事業(令和4年度第2次補正予算)」を活用し、「ベストヘア2023」を実施し、全国の一般消費者に広くアピール。
令和6年能登半島地震被災県への義援金を募り、組合員や美容業界企業、個人から2800万円(令和6年3月末)を超える義援金が集まり、被災した新潟県・富山県・石川県に届けた。
令和5事業年度決算報告では、事業外収入・事業収入の合計が4億767万8434円、支出は事業費・一般管理費等・法人税等の合計が3億9759万3450円で、当期剰余金1008万円4984円を計上。当期剰余金は前期繰越剰余金1億8783万9123円と合わせて1億9792万4107円となり、100万円を特別積立金、1億9792万4107円を次期繰越剰余金とした。
令和6事業年度事業計画は、消費者の節約志向等で需要回復に時間がかかっており、物価高騰や賃上げ等に対応した価格転嫁もできないため、国の「生活衛生関係営業対策事業補助金」を活用し、美容料金の適正化の理解を求める「物価高騰、賃上げ等に対する料金の適正化PR事業」を実施する。また、感染症をはじめとする衛生管理について、正しい知識に基づいたサービスの提供のため、厚労省後援の衛生管理講習会開催を引き続き推進する。業の振興・発展に対する組織の役割を再認識し、すべての事業を組織強化に結び付けて事業に取り組む、としている。
令和6事業年度収支予算は、予算額4億3499万990円(前年度4億1307万4353円)で編成。組合員数が2445名減少したが、組合費を月額200円から300円に値上げしたため収入増となっている。
【全美連 正副理事長、常務理事】
理事長:藤原 國明(北海道)
副理事長:町田 仁一(群馬県)
同:野本 義久(富山県)
同:北里 哲郎(大阪府)
常務理事:今野 仁(宮城県)
同:野村 敏夫(千葉県)
同:山口 雅生(岐阜県)
同:粟津 暢彦(京都府)
同:山本 拓治(広島県)
同:谷上 司(鹿児島県)