12月5日、厚生労働省は平成30年度援護事業功労者としての厚生労働大臣表彰対象の94名が発表されたが、タカラベルモント株式会社の吉川秀隆会長兼社長も表彰対象者として選出された。
12月12日午前11時より中央合同庁舎第5号館低層棟2階講堂で厚生労働大臣出席のもと表彰式は執り行われ、吉川社長は被表彰者を代表して謝辞を述べた。
◇援護事業功労者の厚生労働大臣表彰について
多年にわたって戦傷病者、戦没者遺族、引揚者等の援護事業に携わり、功績が顕著な者に対し、その功績をたたえるとともに、その労苦に報いるため行われるものです。(厚生労働省ホームページより)
◇選出されたポイント
吉川社長は、真田山陸軍墓地維持会理事長として、明治以来の戦没者の墓地及び御骨のある真田山旧陸軍墓地の維持保存に力を注いできた活動などが評価されたものと考えられます。
◇公益財団法人真田山陸軍墓地維持会について
明治4年に設置された真田山旧陸軍墓地は、日本で最初の陸軍墓地。現在の墓地の面積は4,550坪(約15,000平方メートル)を越え、全国で80箇所以上作られた陸軍墓地の中でも日本最大の墓地。明治6年の徴兵令以前に属する士官・兵士の墓碑にはじまり、西南戦争、日清・日露・第一次世界大戦から第二次世界大戦にいたるまでの5,100基以上の墓碑が並び、8,200余の遺骨を納めた納骨堂を擁しています。
真田山陸軍墓地維持会は、志半ばで戦争の犠牲となり亡くなった先人を慰霊するとともに、旧日本軍の歴史・文化を後世に伝える遺跡・遺物として後世に伝えるべく、墓地の維持管理を行っています。
しかしながら、当墓地の墓石は「和泉砂岩」という非常に脆い石材を使用しており、近年その剥離・崩落がひどく、早急な修復作業が必要です。この修復作業には専門的な技術と資金が必要で、技術については京都造形芸術大学の支援のもと「市民ボランティアによる処方」を確立させました。一方修復資金については、広く寄付金をお願いしております。また諸団体のボランティアにより清掃等維持が行われています。
本年11月の国会において、この真田山旧陸軍墓地を始めとする全国の戦争犠牲者の墓地の維持が民間に任されていることが問題として取り上げられ議論されたことで、今後国や地方自治体がサポートする方向で進んでいます。