平成31年2月13日、DHK協同組合(能登谷組合長)では、ライオンファミリーグループ代表で、湘南ビューティーカレッジ校長でもある井出隆夫氏をお迎えし、従業員の育成について「お客さまによろこばれ愛される、人づくり、店づくりの経営理念」というテーマで講演をしていただいた。
井出氏は、厚労省から社員教育の模範的企業として表彰された株式会社玄を含む、理美容関連のライオンファミリーグループを束ねており、市内理美容店をはじめ直営店69店舗、フランチャイズ店245店舗、その他海外支店や、専門学校など約30施設を擁するグループに育て上げた。
今年で理容師になって44年。両親の姿を見て理容師になったそうだが、当初、お店にお客さまが来ないのは自分に技術がないからと痛感し、人の勧めで理容競技による技術習得を目指したという。
DHK競技部への入部経験もあり、「教えてくれないからマネをし、マネを繰り返すうちにオリジナルになり、賞が増えるごとにお客さまも増え、JUHAのチャンピオンにまでなれることができた」という。
技術チャンピオンを取ったので、今度は経営のチャンピオンを志し、34歳で4店舗のオ-ナ-になるも、諸般の事情で名誉を捨て裸一貫となってしまうが、そんな自分をお客さまや身内が救ってくれ、スタッフがついて来てくれた。そこから「物は取られてしまうけど、技術は取られない。ハサミと、櫛があれば裸でも仕事ができる」をモットーに、再スタート。井出氏によれば、そのときが一番勇気を持てたそうで、「私は、日本一理容の仕事を愛している!」と、当時を振り返りながら涙ぐむシーンもあった。
その後、理容学校をつくるなどグループも成長、現在に至るが、お客さまに愛される店づくり、人づくりをつねに目指し、現状に満足せずお客さまや、スタッフを喜ばすことができるよう「もっと!」の気持ちを大切にしている。また店舗展開においても、お客さまの要望やライフスタイルを踏まえた形をとり、ありとあらゆるニ-ズに対応できるサロン展開を行なっている、という。
最後に井出氏は「スタッフには『お前の将来のため』と言える人間になりたい」との言葉を残し、講演が終了となった。
今回の協同組合ゼミは、年度末に相応しい、素晴らしい講演であったこと。また井出氏の熱血ぶり、その理容愛の深さが浮き彫りになった内容であったことを報告しておきたい。受講した組合員たちが翌日からまた自身を見直し邁進しようと決意を新たにする。そんな協同組合ゼミとなった。 通信 原田圭亮