全日本美容業生活衛生同業組合連合会(全美連/吉井眞人理事長)は1月24日、『第374回理事会』と『新年懇親会』を東京・千代田区のホテルニューオータニで開催した。
理事会のあいさつで吉井理事長は3月25日に創立60周年を迎えることにふれ、「4月からの新事業年度は“リセット元年”として、事業計画をテーマは“人”をテーマに、労働生産性の向上などを新たな視点で検討していく」と述べた。また、前回の東京オリンピックの次年は少し景気が後退したとして、2021年への対策も行なっていくという。
議事に入り、報告事項、付議事項、協議事項について審議が行なわれ、すべてが承認された。おもな内容は以下のとおり。
[第46回全日本美容技術選手権大会]
10月23日に新潟市の朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)で開催される「第46回全日本美容技術選手権大会」でブライダル競技の復活が決定。入場料はS席7500円、A席6500円、学生席4000円消費税込、弁当付。
[専門職大学・専門職短期大学]
昨年9月に学校教育法の一部を改正する法律が公布され「専門職大学」「専門職短期大学」が2019年から創設されると報告。変化の激しい社会に、より高度な「実践力」と新たなモノやサービスを創り出せる「創造力」を有する人材の育成強化が急務であり、大学制度の中に実践的な職業教育に重点を置いた仕組みとして制度化するものとしており、金沢専門職大学が申請受理されたという新聞記事も紹介した。それによると、コースに「美容経営」があり、技術力だけでなく経営管理についても学ぶという。
[はれのひ事件]
神奈川県の山本政幸理事は「はれのひ」事件で、組合員6人が150万円の被害を受けているなど、「はれのひ」と契約したサロンの被害が大きく、県組合としては顧問弁護士と相談しながらバックアップをしていくと報告した。被害に遭った他県の理事からも「美容師の着付けPRをしたらどうか」など、さまざまな発言があった。吉井理事長は「着付けの主体が美容から他に移ったことが招いた事件であり、各県の組合がしっかりと対抗しうる営業システムを考えることが大切。連合会としては、衛生面だけでなく美容室で技術を受けることがいかに安心安全なのかを含め、美容業務の大切さを考えていきたい」と述べた。
[美容業に関する標準営業約款の改正]
美容業に関する標準営業約款を、時代に即した内容とするために改正。各役務の技術内容の定義や作業標準規格などは廃止され、提供メニュー内容やその料金、店販品についても価格を明示することや、施術前に「カウンセリングを行なう」こと、「美容師の氏名、指名料(有る場合)の明示」などを義務づけた。また「地域社会に対する取り組みに関する事項」と「衛生水準の確保に関する事項」を追加した。今回、改正案が承認されたのを受けて全国生活営業指導センターの標準営業約款委員会、さらに厚生労働省の厚生科学審議会専門分科会で審議され、今年9月頃厚生労働大臣が告示する予定。
議事に先立ち各種表彰があり、同組合へ多大な支援・協力を行なった田中雅子さん(日本美容技術振興センター理事長、全日本婚礼美容家協会会長)に感謝状がに贈られた。
全美連新年懇親会開催
同連合会は理事会終了後、休憩をはさんで午後4時から同ホテルで新年懇親会を開催した。
原恒子副理事長の開会の辞に続き登壇した吉井理事長は「生衛法が60周年を迎え、全美連も3月に60周年となる。改めて生衛法の目的や、全美連、各組合のあり方について考え、地域のサロンを通じて消費者にいかに愛されるかという活動を他業界・他団体と連携して行ないたい。今年はリセット元年として新しい時代の第1歩ととらえている」とあいさつ。続いて加藤勝信厚生労働大臣はじめ、衆参国会議員が次々登壇し、新年の祝辞を述べた。業界代表では大森利夫全国理容連合会理事長、上原至雅理容師美容師試験研修センター理事長、谷本穎昭日本理容美容教育センター理事長が祝いのあいさつ。
この後、吉川秀隆タカラベルモント社長の発声で乾杯が行なわれ、新年賀詞交歓の場へとつないだ。