株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は1月30日、東京・千代田区の帝国ホテル東京で『平成30年度 政策発表会』を開催した。
佐藤社長は最初に、営業成績が計画を伸長したとして謝辞を述べ、「平成30年度基本方針」を次のように説明。
[サロン環境の変化]美容業界は集客と採用がさらに厳しさを増すなか働き方改革が問われており、スタッフ一人当たりの生産性や時間当たりの生産性の向上が欠かせなくなっている。また、客単価をみると、高単価サロンと低単価サロンがともに増加しており、サロンの「2極化」が進んでいる。「労働生産性」を向上していくには、生涯美容師が育ち続けるために人と教育を中核としたサロンの組織創りと、技術と店販による客単価アップが重要になってくる。美容室のあり方は今後、サロンならではの顧客のキレイを売ることと、サロン店販のビジネス化への挑戦へと変わってくる。
[顧客の変化]女性はいくつになってもキレイでありたい、すなわち「生涯美容」を楽しみ続けたいと考えている。仕事と家庭・子育てを両立させる女性が増えており、消費における時間の意識が高まってきた。価値を感じられるモノやコトにはお金を費やしても良いと考える女性59.2%、価値を感じられるモノやコトには時間を費やしても良いと考える女性人65.5%(2017年マクロミル調査)とあり、限りある時間に対する価値は女性の消費において、より重要な要素となってきた。サロンが顧客に提供できる2つの時間価値がある。ひとつは、来店で過ごす時間に対する価値(滞在時間価値)、もうひとつは、顧客が生活の中で、日々のキレイを感じる時間に対する価値(生活時間価値)である。ふたつの時間価値の向上は、美容師の生涯顧客創り、サロンの生涯美容師の育成、顧客の生涯美容につながる。
[2018年マーケティングコンセプト]“お客さまの「生涯美容」をかなえる「ライフタイムビューティ」を発信し、ふたつの時間価値を高める生涯美容師を応援することで労働生産性の向上をめざす”(LIFE TIME BEAUTY INNOVATION for challenge 80)。
サロンは「技術を売る時代」を経て「ヘアスタイルを売る時代」から、「キレイを売る時代」へと転換期を迎えている。歳を重ねてアンチエイジングからエイジングビューティへと生涯美容を展開してきたが今年、エイジングビューティから新たな定義の「ライフタイムビューティ」を提案する。ライフタイムビューティとは、顧客の人生をトータルに捉え、美容師を通じて女性が一生涯美しく輝き続けられること
[施策]①スタジオ拠点=埼玉営業所を埼玉支店に格上げし、さらに仙台営業所を統轄。静岡営業所スタジオ新設(2017年)、横浜営業所スタジオ移設(2017年)、岡山営業所スタジオ(近日開設)。国内16スタジオを活動拠点として、セミナーや実習講習を行なう ②デザイナー育成支援の「DA INSPIRE」、「PHOTO REVOLUTION」の充実を図る ③集客、採用に役立つよう、一般女性向けWeb動画「わたし、ひらく」を継続配信 ④サロン店販ビジネスをめざし、コーポレート & 製品ブランディング訴求を継続。交通広告としてグレードアップセミナー開催週に東京は東京駅八重洲口、大阪は阪急梅田駅をジャックし認知度アップを図る ⑤サロン店販ビジネスの確立に向け、コーセー ミルボン コスメティクスのプロフェッショナル化粧品事業の進捗をはかる。
次に、マーケティングプレゼンテーションがあり、フィールド企画、教育企画の各担当者が説明した。教育支援では生涯美容師へのキャリア別教育プランと、客単価・労働生産性を高めるサロン環境の確立に向けた具体策を提案。また、プロの洗練された技術力のサロンカラー価値向上提案や、顧客の髪質・地肌、現象、変化を見極め、ケア意識を高めるサロンケア提案の強化、ホームケアとヘアアレンジ・スタイリング提案も行なっていく。サロンの仕組み・環境作りのヒントとなる事例の発信など、さまざまな教育サポートコンテンツを提案。
最後にゲストプレゼンテーションとして、CMA mashの三石寛社長が、自店の経営経験などを基に生涯美容師に不可欠なことや、ライフタイムビューティ、生涯美容室に必要なことを講演した。